南海トラフ地震をはじめ、近年増加傾向にある水害等も含め、大規模災害がいつ起こってもおかしくない状況の中で、みなさんの住んでいる地域での防災訓練活動はどのようなことを行っていますか?
一年に一度集まり、避難経路の確認を行ったり、炊き出しを作り地域で顔の見える関係を構築したりというのが、よく行われている地域の防災訓練ではないでしょうか。
その他で言うと、身近にあるもので即席のランプを作ったり、避難所での過ごし方を学んだりと復旧期のものが多いと思います。
そのこと自体を悪くは思いません。
もちろん全て大切なことですから。
ただ、イメージしてください…..
大災害が起きたことを。
誰一人欠けることなく避難できていますか?
倒壊している建物はありませんか?
近所で助けを呼ぶ声は聞こえてきませんか?
そのとき、あなたに何ができますか?
実災害ではどのようなことが起き、それに対して、今自分たちが行っている教育や訓練は十分であるかどうかを理解しておくことも大切です。
では、住民防災・地域防災の新しい形とは一体何なのか?
助けられる側から助ける側に
まず、意識と行動を変えましょう!
南海トラフ地震等の大規模な災害を乗り切るためには一般市民の方も助けられるだけではなく、助ける側として家族や地域を守っていく存在にならなければならないのです。
「消防が助けにきてくれるだろう」、「市や町がやってくれるだろう」という考えは希望的憶測でしかなく、実際は発災後数時間から数日の間救助に来ないことも珍しくありません。
日本全国どこを見渡しても、管轄住民全員を救助できる人員・装備を要する消防組織はないですから。
そして、東日本大震災を見ても分かるように大規模災害が発生すると、地元の消防、警察、自治体、消防団の方々も被災します。
そんな中、地域にぼんやり公助が来るのを待ちますか?
家族や恋人、友人に危機が直面しているとするならば、きっとあなたは待つ事はしないはずです。
自分で「何とかしてやろう」と考え行動に移すはずです。
ただ、一点気に留めて欲しいことがあります。
それって安全ですか?
安全でなければ助けれない
どのような人種であるかだとか、性格は関係なく、人間は災害時、つまり、通常では考えられない状況の中で、自分が安全であることを認識したら、無意識に助けを必要としている人を助けようとするし、心のどこかで助けたい、力になりたいと思います。
また、過去の災害からもそのような行動を起こし、実際に多くの人たちが、そのような一般市民に救われてきたことも事実です。
そう、市民の力はすごいんです!
こういう風に心が感じることはすごく素敵なことだと思います。
しかし、メキシコ大震災では近所の人を助けようとした多数の一般市民の方が二次災害で亡くなっており、東日本大震災でも消防団員の方をはじめ、大多数の方が二次災害で亡くなられています。
また、亡くならないにしても、救助に行ったことにより、体や心に傷を負った方はかなりの数いると考えて間違いないものだと思います。
そうなんです…
体にも心にも安全ということを大事にしないと、せっかく助ける側の人になったのに、すぐに助けられる側の人になっちゃうんです。
ではどうすればいいのか?
当たり前のことではありますが、教育しかないです。
まずは様々なことを知らないと、災害と戦えませんからね!
正しい知識で救助して、救護すれば、もっと沢山の人をもっと安全に助けられるわけですから。
現場直結型防災教育
分かりにくい教育名になりましたが、ピンとくるものがなかったので(仮)ということで。
伝えたいことは、発生している災害に対してアプローチをする方法であり、よくある復旧期の災害対策ではなく、発災期の災害対策ということです。
まず、みなさんのいる地域、会社、学校等のコミュニティで共通の認識やルールを持ちましょう。
一人で行動しても事故につながるだけです。
災害時こそチームで活動する意識を持ちましょう。
そして、チームで持つべき知識やルールを学びましょう。
自分には何ができ、何をするべきなのかを理解することにより、災害時に率先して行動できるようになります。
ここが勇気をもらえるポイントです。
また、知識とノウハウさえ分かれば女性や高齢者もチームの一員として十分に機能します。
なので、少子高齢化社会にも対応し、若者の少ない地域でもみんなで力を合わせれば十分に災害に対応できます。
教育プログラムや訓練内容については、その他の章で詳しく説明しています。
あなたの大好きな町と人を守るため、取り組める内容から取り組んでみてください。
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