市民も災害発生直後の心理状態を知り自分と家族や仲間の命を守る

勇気ある防災
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人は災害発生時、何を考え、どう動くのか。

その中でも災害発生直後の行動は命に直結しており、ここでの判断ミスにより多数の人命が失われた事実は世界中で報告されています。

なぜ、そのようなことが起きるのか?

それは災害発生時の人の心理状態と密接に関係しています。

今回は、主に人がエラーを起こす三つの心理状態を分かりやすく書いていきたいと思います。

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正常性バイアス

人は災害時を含め、平時では考えられないような非常事態になったとき

「自分にこんなことがおきるわけがない」と考えてしまう。

こんなに沢山の人がいて、場所もあるのに、自分が出くわすわけがない。

そして、また、映画やテレビドラマの主人公のように「自分は死ぬわけがない」

と根拠のない考えを持ち、今起きている現実を受け入れられない状態となります。

明らかに非常事態になっているにもかかわらず、自分自身で正常な状態と思い込まそうとしているため、非常事態であるというスイッチに入るまでに時間を要し、判断、避難等が大幅に遅れます。

このようなバイアスがかかってしまうと、自分自身で危険を認識することは難しく

テレビなどの媒体や、友人、知人、家族などから情報を提供されたときに初めてぼんやりと被災者になったことに気づいていきます。

このような心理状態は大災害に限らず、自分の身に危機が迫っているときにも見られます。

普段と違うと少しでも感じたならば、自分の頭と心を非常モードに切り替えましょう!

集団同調性バイアス

これは見出しどおり、みんなでいれば怖くない。という心理状態です。

しかし、そこには一切の科学的根拠はありません。

ただ、心理状態がそうさせてしまうだけなのです。

想像してみてください。

多数の人が集まっている中、災害が発生し、自分だけで行動することはできますか?

それは、なかなか勇気のいる行動だと思います。

つまり、集団でいる場合、お互いが無意識に牽制しあい、他人と違う行動をとりずらくなり

何となくみんなといれば安心するという心理から、避難する行動のタイミングが遅れます。

また、非常事態であることを自分自身で認識しているにもかかわらず、避難しない人が多数いる場合、ここにいるほうが正しいんだという多数派同調性バイアス(多数意見が正しく感じる)にも支配されることになります。

集団同調性バイアスや多数派同調性バイアスに左右されないよう

あなた自身が勇気を出して率先行動をとりましょう!

エキスパートエラー

こちらのエラーが一番最悪なものとなっています。

これは誰しもが引っかかってしまうものだからです。

エキスパートエラーとは、場所の責任者や、集団でいる場合は、その集団の上席のもの。

また、災害の発生した場所の管理者やそこで働いている人の指示を鵜呑みにした結果、最悪の結果を招いてしまうことです。

代表的なものに韓国のセウォル号の事故があります。

みなさんもご存知のとおり、修学旅行中の多数の高校生を含む300人以上の方が亡くなられ、韓国史上最大の海難事故となったものです。

なぜこのような事態になったのか。

事故の原因は悪天候での無理な出港、積荷の過積載、代理の船長、危険海域での三等航海士の操舵など、起こるべくして起こった事故であることが明らかになっていきました。

ではなぜ、ここまでの人が亡くなったのか。

それは事故後に繰り返し放送された「その場を動かないでじっとしていてください」という指示のほかなりません。

船から流れる放送に安堵し、身に危険が迫っているとも感じず

その結果、客室内で多数の高校生が亡くなったのです。

もしあの時、救命胴衣を着用する旨の放送と避難を促す放送をしていれば、ここまでの死者は出ていなかったと思います。

もちろん、責任者や管理者の指示に従うことは大切なことですが、自分自身の危険は自分で管理し、すぐに対応できるよう身構えておくことは、もっと重要です。

あの時、テレビで流された傾いた船の中で笑いながらカメラに手を振っていた高校生。

まるで遊園地にでもいるかのようにはしゃいでいた姿こそ、正常性バイアス、集団同調性バイアスのかかったものであります。

あの時、すぐに身の危険を感じ、救命胴衣を着用し避難をした高校生は命を落としていません。

 

今回説明させてもらった三つのエラーは誰もがかかるものです。

しかし、事前にこうなることを分かっていたならば、とる行動は大きく変わってくるものと考えています。

あなた自身の勇気と行動で一人でも多くの人の命を助けましょう。

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