チームで活動するにあたって災害対応へのストレスは起こりえるものです。
あなた自身が感じるものはチームメンバーも感じるということであり、あなた自身のストレスを軽減するという方法をチームのメンバーにもとらなければなりません。
リーダーとしてストレスマネージメントを実践し、チームの安定を図りましょう。
災害後、最初は救助している人に協力的な人も、救助が進み、時間が経つにつれて、救助者や復旧しているものに対し距離を置くようになります。
それどころか、怒りや非難を向ける場合もあることを救助者は理解しておかなければなりません。
そのような人に対し、自分たちは何ができるのか。
心を寄り添わせ、共感するために。
一つの知識として覚えておいてください。
チームの安定
原則として、災害時に家庭や仕事面などで問題が発生し、自分のことで手一杯のメンバーは活動から外しましょう。
その時にあなたがやることは、そのメンバーへのフォローです。
ストレスがたまっていると感じたならば、あなた自身のストレスを軽減する方法を提案したり
次項の「心を寄り添う」の中にある傾聴方法でじっくりと話を聞きましょう。
リーダーとして仲間やメンバーを頼りにし、仲間やメンバーから頼りにされましょう。
もちろん、生活に落ち着きを取り戻し、合流を望んだときはチームに合流させましょう。
では、チームリーダーとしてどのように活動していくのかを考えましょう。
まず、活動前に仲間へ十分な説明を行います。
どこで、何を、いつまでやるのか。
どのくらい安全で、何が起きたら避難、退出をするのか。
など、できる限り事細かく説明しましょう。
個人用保護具の確認や、チームとして活動できるかのチームワークを確認。
適宜、休憩をいれ、無理な時間の活動は絶対にしない。
イメージ的には5割ぐらい疲れたら休憩で良いと思います。
一回きり、一日きりで終わるわけではないんで。
休憩場所は、必ず災害現場から離れた場所にしましょう。
食事と水分の補給も管理するようにしてください。
適宜デフュ-ジングやデブリーフィングを行い、チームみんなでその日、その時受けた心の衝撃を話し合い、心に残らないように管理するのもリーダーの仕事です。
また、作業難易度を徐々に下げて事故を起こさないように工夫もしましょう。
リーダーにとって一番大切なのはチームの安定です。
それは、組織のピラミッドのどの場所にいても同じです。
管理者として各班長に指示を出す人でも
班長としてメンバーに指示を出す人でも
同じように指示を出した相手に対し、安全を管理する責任を負います。
より良い活動ができるよう、リーダーとしてチームを安定させましょう。
寄り添う心
相手の心理状態を安定させるために、どのようにアプローチしていくのか。
最初は、相手が興奮状態であるかないかの確認は行いましょう。
この状態で近づくと危害を加えられる恐れがあるので十分な注意が必要です。
また、自殺兆候や精神病の兆候がある場合は医療専門家のサポートを仰ぐようにしてください。
上記をふまえたうえで、心理状態は不安定でも、体の元気な人には簡単かつ建設的な仕事を与えましょう。
家族や友人などと接触させたり
自分が接するときには「寄り添う心」を持って接しましょう。
傾聴の仕方も大切になります。
すごく簡単に言うと、どのような態度と心で相手の言葉に耳を傾けるかということです。
相手の気持ちを理解するために、相手の立場に立ったり
自分の過去の経験を参考にし、相手がどのように感じているかを想像します。
ただし、自分が相手の感情をそのまま受けないように注意が必要になります。
言葉自体を聞くだけではなく、ボディランゲージや感情と口調に注意を払い、意味を汲み取るようにしましょう。
相手に自分が理解していることを示すために
オウム返しのように相手の言ったことを少し言い換えてリピートしてあげることも
コミュニケーションの深まる一つの手法です。
そして気をつけたいのは、言ってはならない言葉です。
「よく分かります」や「全てよくなるから大丈夫」などというのは
自分たちには分かるわけがなく、相手の価値観によるものですし
「泣かないで」や「気を落とさないで」は
泣いてもいいし、気を落とす権利を持っています。
「あなたは強いから大丈夫」
立ち直れるかどうかすら分かっていない状況で、強いと思えるはずがありません。
「不幸中の幸いだよ」も
幸か不幸かは本人の決めることで他人が評価することではないですし
「それは、神の意思です」というのは最悪で、相手を怒らせるだけです。
大切なのは聴いてあげることです。
ただただ共感し、聴いてあげること。
傷ついた人と接することは勇気がいります。
勇気を出し、心を寄り添わせ、仲間や傷ついた人の心を助けてあげてください。
あなたにしかできないことがあります。
一人でも多くの人の命を救うために。
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