市民同士で指揮命令系統を確立し統制のとれた活動を行う

勇気ある防災
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漢字ばかりの聞きなれない言葉で、ピンとこない方が大半だと思います。

チームの重要性の章で、個人ではなくチームで動くことが、安全かつ効率的に災害現場対応を行うことの一つの指針であることは述べさせてもらいました。

では、そのチームがいくつもできたとき、チーム間の連携はどのようにとっていくのか?

また、誰がどのようにそのチームを動かしていくのか?

個が集団になり、集団から組織となり有機的に活動するためにも、とても大切な章です。

限られた時間と資源を活用するためにも、覚えておいてください。

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組織を編制する

組織の編成を行う上で重要な項目として

直接指揮限界(スパン・オブ・コントロール)

があります。

これは、災害対応も含め、重要な問題を対応するにあたり一人の人間が効果的に管理できる人や資源の数のことをいいます。

つまり、何か問題が発生したときに、直接10人を指揮して問題を解決することは難しく

また、あなた一人で10人全員の行動と安全を管理することは難しいという概念です。

災害時の直接指揮人数に最適な数は5人を超えない程度とされており、3人から7人が目安とされています。

当たり前の話ですが、これはチームに対しても言えることです。

チームも5人程度にし、その中から一人の指揮者(リーダー)を選ぶようにしてください。

 

直接指揮限界の原則に基づいて複数のチームができたら、続いては組織の編成です。

と、その前に

突発的に発生した災害現場の最初の指揮者は誰がやるんですか?

と思いますよね。

組織を編制する上で、最初のリーダーたる指揮者がいないと編制も何もできないわけですから。

最初のリーダーは、といいますと

最初に現場に到着した人です。

もしくは最初に現場に到着したチームのリーダーです。

バラバラで災害現場に居合わせ、なおかつリーダーが不在の場合はあなたがリーダーになり、現場の指揮を執りましょう。

リーダーの重要性のところでもお話しましたが、一番良くないのは、そこにリーダーがいないことです!

話を戻しまして、

組織を編制する状況になりました。

まず考えるのは、災害の種類と規模です。

そして起こった災害に対し、必要な機能を考えた上でチームを割り振ります。

地震であれば、捜索班、救助班、救護班、資材調達班、記録班とかですかね。

この時点で直接指揮の最適人員ですので、これ以上は増やさないほうがいいでしょう。

機能部隊を増やす場合は、救助班、救護班、救護班をまとめる人を一人置き、あなたはその人を指揮下におきましょう。また、何か起きたときのために自分の補佐役も一人おきましょう。

組織の編成は直接指揮限界を超えず、臨機応変に状況の変化に対応できるように機能班をピラミッド型に作成していくことが大切です。

指揮のルール

指揮というものにもいくつかのルールがあります。

まず、一つ目に指揮の一元性があります。

これは、災害に対応するメンバーは、自分のチームのリーダーからのみ任務を受け、自分のリーダーのみに報告を行うというものです。

また、メンバーから報告を受けたリーダーは、自分の直属の指揮者にのみ報告を行うという流れになります。

組織内の命令や行動、そして情報の流れを明確にしておくことは重要であり、このように指揮命令系統を確立させておくことにより、現場の混乱を避けることができます。

 

先ほど指揮者になったあなたですが、いつまで指揮を執り続けるのかという疑問も頭の中に大きくあると思います。

こちらも指揮の移行するルールがありますので説明します。

現場指揮を執り始めて時間がたつにつれ、様々な公助の手が現場に入り始めます。

消防や自衛隊、また、そのほかの適格な現場指揮官が到着した場合は指揮を移譲しましょう。

法的に移行しなければならないときや、あなた自身が休まなければならないときも指揮者が移行するときになります。

その際に必ず行わなければならないのが、権限の移譲と引継ぎです。

指揮を移譲する相手に対し、権限を移譲することを明確に伝えること。

そして、現在残されている課題や、取り組んでいる案件、できるだけ細かく、抜けのないように伝えましょう。

可能であれば記録や文書などと一緒に引き継げれるようにしましょう。

指揮し統制することの意味

多数の人員のみ参集した状態で、指揮されることなく統制のとれていない場合、どのようなことが起きるのか。

これは平時の社会の中でも考えられることですが、責任が欠如します。

それは、やらなければならないことが明確に示されていないことも理由にあると思います。

また、情報を共有、伝達するということに対して脆さがあります。

系統だったものがないため、誰に伝えればどこまで伝わるのか?

そもそも、どんな人間がどれだけここにいるのかの把握も困難となります。

人がいるだけでは十分な活動はできません。

むしろ人が多いということは、事故の起きる可能性もそれだけ高まるということです。

そうならないよう、人の集まりから集団に、そして組織に変えていきましょう。

 

一人でも多くの人を助けるためには、明確な形あるものも必要です!

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