市民による災害時における負傷者へのアプローチと応急手当

勇気ある防災
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災害が発生すると多くの負傷者が発生し、その負傷者に対しみなさんは自発的に助けようとします。

しかし、独自の知識でやろうとするため、その処置が効果的であるかは分かりません。

きちんとした知識を身につけ、助けることのできる人の死を防ぎましょう。

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負傷者へのアプローチ

負傷している人を見つけたら、その人に接触するところから始めなければなりません。

何も言わず処置を始めると、負傷している人の不安をあおり、余計に容態を悪くしかねません。

負傷している人が不安にならないようなアプローチを心がけましょう。

まず、負傷者があなたに気づいているかどうかも大事になります。

無言で近づくことなく、呼びかけを繰り返しながら接近しましょう。

ここで大切なのは、あなた自身の名前と身分を明かすことです。

「○○地区自主防災会の○○です。大丈夫ですか」

全く知らない人であったとしても、こう話しかけながら近づくだけで少しの安心感はえられます。

負傷者が会話可能な状況ならば、処置の許可を得ましょう。

「あなたの怪我の処置をしたいので体に触れてもかまいませんか」

相手の体に触れる場合は必ず確認と許可を取らなければなりません。

怪我をしているからといって、必ずしもあなたからの処置を望んでいるとは限りませんので

後に問題とならないためにも、怠ってはならないところです。

その後も処置を継続する中でも、一つ一つの説明はできる限り行いましょう。

どういう状況で、どういう処置をしているかを説明することも大事なこととなります。

接触だけでも様々なことに気をつけなければなりませんが、アプローチを間違うと心を閉ざされてしまうかも知れません。

十分に気をつけて行いましょう。

応急手当

接触した時点で、声をかけてますので反応がない場合は、耳が聞こえない可能性を排除できれば、ほとんどの場合で意識なしと判断できます。

次に行うのが呼吸の確認です。

口元に耳を近づけ、呼吸音と呼気を確認しながら胸の上がり下がりを確認しましょう。

その時、呼吸をしていない、若しくは十分な呼吸が感じられなければ、気道確保を行います。

やり方としては、頭部後屈あご先挙上法が最も簡単です。

負傷者の額を片手で押さえつつ、もう片方の手の指を使いあご先を上に持ち上げる方法です。

意識がなくなると、舌根が沈下し呼吸が止まるという状況が多く発生します。

あご先をあげるだけで、呼吸が回復する可能性もありますので積極的に実施してください。

止血も大切な処置です。

止血方法は、直接圧迫止血で行いましょう。

出血しているところに清潔なガーゼやタオルをあて、手で押さえるやり方です。

中途半端な圧迫では止血することはできませんので、おもいっきり傷口を押さえてください。

出血部位が手や足などの場合、心臓より高い場所に出血部位をおき、少しでも重要な臓器に血液が回るように工夫をすることも大切です。

出血が進むと、「ショック状態」となります。

ショック状態とは、循環する血液量が少ないことが原因で引き起こされる状態で、この状態が長く続くと死に至ります。

なので、この状態の負傷者を発見したらできる処置を実施しながらも、優先的に医療機関に運ぶことも憂慮しなければなりません、。

ショック状態の兆候として

早く、浅い呼吸になっていること

手のひらを触ると、冷たく湿っていること

簡単な命令に従えないこと

などがあげられます。

一分間に30回以上の呼吸が見られる場合や

弱く早い脈、手の冷汗が見られたら要注意です。

ショック状態を疑いましょう。

ショック状態は、目に見えている出血だけで判断はできません。

臓器からの出血等でもショックは引き起こされますので、十分に注意しましょう。

クラッシュ症候群

大地震の場合は、家や家具の倒壊により、クラッシュ症候群という通常では発生率の低い容態が多く見られるようになります。

これは重量物に長時間挟まれたために起こる現象です。

骨格筋が多い太もも、両腕などが挟まれていたら特に注意が必要です。

早ければ1時間程度挟まれた状態での発症もあります。

特徴としては、尿の色がポートワイン尿といって黒っぽい赤褐色になっていたり

挟まれている四肢の指先等に知覚がなければクラッシュ症候群になっている可能性が高いです。

上記の症状が出ていなくても

時間の経過が認められたら無理に重量物を除去するのではなく、医療スタッフに相談しましょう。

知っていることで助かる命はあります。

 

一人でも多くの命を助けるために。

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